皆様いつもお世話になっております。
早速ですが、当店で使用するちりめん原料の現状を報告致します。
結論から申しますと、現在以下のような状況です。
① 歴史的不漁によって品質基準を満たす原料が極度の品薄
② それに伴って、原料価格が大幅に高騰
ちりめんじゃこの原料であるカタクチイワシの稚魚は、
河口付近のプランクトンを好んで浅瀬の近海で回遊しているのですが、
水質汚染防止のために生活排水基準の規制が高くなることで、
濁りのない水では逆に魚の餌となるプランクトンが生じず養分が低下。
居るはずのところに居なくなってしまったという漁場の異変が近年深刻化しております。
加えて、船で漁に出るための燃料費等固定費も昨年から急騰。
漁に出ても採れないという事態から、赤字になるなら漁に出ないという悪循環が影響し、
不漁に拍車を掛けております。
先日イカナゴ漁の解禁がありましたが、ココでも同じ理由で不漁が深刻です。
供給量が低下すると価格は跳ね上がるものですが、
大手量販店と年間契約を結んでいる販売業者は供給が滞ることによる契約違反を恐れ、
赤字覚悟で玉を確保しようとするためにさらに価格高騰しているようで、
需給それぞれのサイドで悪循環が生じております。
そんな需要側の背に腹を変えられない事情を見透かして、
この機に乗じて供給側が不当に値段を釣り上げているという見解もありますし、
供給側が意図的に玉を出し惜しみしているのではないかという憶測まで飛び交う始末です。
余談ですが、国産実山椒についても昨年の不作から現在市場に玉がなく、
目下新モノ待ちの状況です。
こういったちりめん原料事情がいつまで続くか分かりませんが、
春の漁の玉が市場に出るであろう本年6月ぐらいまでに状況が好転するということはまずないでしょう。
弊社と致しましても誠に困ったモノだと頭を痛めている次第ですが、
さてさてどうしたものか…
今後もこういった原料事情を発信していきます。
ご理解頂ければ助かります。