自家製にて筍や栗、松茸等の蔬菜缶詰や瓶詰を卸売りしていた戦前にさかのぼります。
こういった分野が得意であった当店に、戦後京都の料亭や味処からこんな要望がありました…

「お茶うけに合う甘露煮、ありまへんか?」

四代目店主大橋庄三郎の頃、そういった味にうるさい方々と研鑽を積むことで定評を得るに至り、
先代店主の大橋康男が一般の方々にも手軽に味わって欲しいとの想いから生まれたブランドです。

平成には雑誌や新聞等に読者投稿で知る人ぞ知る逸品として、度々紹介されるようになりました。
今では瓶詰商品だけでなく菓子や手作りタイプも拡充するに至り、
自家製造によるこだわりの味を全国からお取り寄せいただいております。

その名に負けず「京のごちそう」と呼ばれるに相応しい品々であるために、
受け継いだ技と味を守りながら進化していければと考えております。

甘露煮へのこだわり

甘露煮の素材は古くから縁起のよい食べ物とされるものばかり。

「福をもたらす縁起物であること」
「喜んで頂けるような良い粒であること」
「楽しんで頂ける彩りであること」

そんなこだわりで素材を選んでいます。

そして各素材に最も適した調理法で、職人がより柔らかく、よりふっくらと、風味豊かに仕上げております。

昔の携帯食だった「かち栗」を「勝ち栗」になぞらえて勝利を呼ぶと言われ、大粒の縁起物としての意味を込めて提供させていただいております。

むき栗は漂白剤を使用せず自然な色合いで仕上げ、皆様の体に優しい品をお届けするように心がけています。

渋皮栗では、炊き上げる前に渋皮を出来るだけ薄く成形することが、仕上がりの成否に関わります。
その作業は、一粒一粒親指の腹で丁寧に渋皮のぬめりを取り除くこと。
時間と手間をかけ、職人の経験と技で仕上げていきます。

渋皮付栗は皮が煮崩れないように、弱火で徐々に糖度を上げていく秘伝の「三度炊き」で、むき栗よりも柔らかく炊き上げています。

黒豆

いつも元気で「マメ」に働けるようにと祝い膳には欠かせない食材ですが、艶のある仕上がりから「若々しく」長生き出来るようにとの願いもあるとか。

豆が硬化する醤油を使用しないのが当店の特徴。丹波種黒大豆で一番大きなサイズの粒を柔らかくふっくらと炊き上げています。

金柑

名前に金の字があることで「金冠」になぞらえ、金運をもたらすと言われる縁起物。ちなみに金柑の皮にはレモン並みに多くのビタミンCを含みます。

実に含まれる種を一粒一粒手作業で取り除いています。栄養素の多い皮を手軽に頬張っていただけます。

青梅

縁起物で有名な「松竹梅」に含まれておりますが、長寿の象徴である「松」や生命力ある「竹」の彩りを模して、緑色した青梅をチョイスしております。

青梅は炊き込み加減を間違えると表皮が変色してしまうため、職人が砂糖のみを使って鍋に張り付いて炊き込みます。金柑のように種抜きできないか思案中。

甘露煮は読んで字の通りの甘い食べ物ですが、当店ではその甘さを控えた味加減が特徴。保存性を確保しつつ、京風にあっさりとした味わいです。

もう一つの特徴は粒のやわらかさ。
丁寧に炊き上げたことによる証です。
お口の中で数回噛めば、とろけるように広がります。

毎年10月頃からの限定製造で年末には完売御礼となることがございますが、
当店自慢の甘露煮を楽しんで頂ければと存じます。

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